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Blood誌に千丈先生の論文が掲載されました。

Title:Calcineurin inhibitor inhibits tolerance induction by suppressing terminal exhaustion of donot T cells after allo-HCT
 
同種造血幹細胞移植後に標準的に用いられるGVHD(移植片対宿主病)予防薬であるカルシニューリン阻害薬(シクロスポリン)の投与が、ドナーT細胞の疲弊を抑制し、活性の高い一過性(transitory)疲弊T細胞を誘導することで、逆に慢性GVHDの発症に繋がることを、マウスモデルにおけるドナーT細胞の網羅的遺伝子発現解析を利用して発見しました。
さらに、一過性疲弊T細胞が、免疫チェックポイント阻害薬を用いることで活性化し、造血幹細胞移植後の白血病再発を抑制することも解明しました。これらの発見は、同種造血幹細胞移植後のカルシニューリン阻害薬の投与が慢性GVHDを効果的に抑制できないという、長年の疑問を解明する非常に重要な発見と考えられます。
さらに、一過性疲弊T細胞の定量は、GVHDの発症や免疫チェックポイント阻害薬への治療反応性を予測するバイオマーカーとして臨床応用されることが期待されます。
 
 
北海道大学プレスリリース:https://www.hokudai.ac.jp/news/2023/08/post-1283.html
Twitter:https://twitter.com/HokkaidoUnivPR/status/1687282668197847040?s=20
 
論文詳細はこちら
(https://ashpublications.org/blood/article-abstract/doi/10.1182/blood.2023019875/495979/Calcineurin-inhibitor-inhibits-tolerance-induction?redirectedFrom=fulltext)

Blood誌での解説コメントはこちら
(https://ashpublications.org/blood/article/142/5/406/497138/No-tolerance-with-immune-suppression)