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International Journal of Clinical Oncology誌に後藤先生の論文が掲載されました

Safety and efficacy of tisagenlecleucel in patients with relapsed or refractory B-cell lymphoma: the first real-world evidence in Japan

悪性リンパ腫の中で最も頻度の高い「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)」は、初回治療を完遂することで約60〜70%の患者さんが治癒を得ることが可能です。一方で、30〜40%のDLBCL患者さんは再発もしくは治療に抵抗し、その後の治療に難渋するのが現状です。

そのような治療に難渋する患者さんに対して、患者さん自身のリンパ球を採取し、体外で遺伝子改変操作を行うことでリンパ腫を攻撃できるリンパ球(キメラ抗原受容体T細胞)を作成し、再び患者さんの体に戻す治療として「キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T細胞療法)」が開発されました。

再発を繰り返す、もしくは治療に抵抗性を示すようなDLBCLに対して2019年からCAR-T細胞療法が保険で使用可能となりました。しかしながら、これまで日本人の患者さんにCAR-T細胞療法で治療した際のきちんとしたデータがありませんでした。

本論文は、CAR-T細胞療法を全国でもいち早く開始した全国の施設にご協力いただき、日本初のCAR-T細胞療法のリアルワールドデータを示したものです。

今回の研究結果により、治療に難渋する患者さんの73%に何かしらの治療効果を示し、46.3%の患者さんが1年後に病気の再発無く暮らせていることが明らかとなりました。また、腫瘍量が少ない状態でCAR-T細胞療法を行うことが、より治療効果を上げることも分かりました。

・Pubmed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37071252/
・IJCO誌:https://link.springer.com/article/10.1007/s10147-023-02334-w