血液の病気を持っている患者さんへ同種造血幹細胞移植を行う際には、血液のおおもとになる幹細胞を提供していくれるドナーが必要になります。ドナーからの幹細胞採取方法の1つに末梢血幹細胞採取があります。現在、末梢血幹細胞採取を行うには、ドナーは数日間にわたり毎日G-CSF投与(皮下注射)を受ける必要があり、多くのドナーは入院下でG-CSF注射を受けることになります。すなわち、数日〜1週間にわたり仕事を休むことができないドナー候補者は、ドナーになることを断念せざるを得ないケースもあるのが現状です。

 今回、持続型G-CSFであるpegfilgrastim 7.2mg(ジーラスタ®︎ 皮下注)を1回投与することで、5日目(投与日を1日目)に十分な幹細胞が末梢血中に動員できるという研究結果が得られました。この結果をもとに、協和キリン株式会社が保険適応拡大の申請を行い、2022年2月25日に承認されました(世界初の適応拡大です)。

 これにより、ドナーの身体的苦痛を緩和できるだけでなく、ドナーが仕事を休む期間も短くすることが可能となるため、より多くのドナー(特に若年ドナー)にメリットがあるものと期待しています(当面は、血縁ドナーを対象に使用されていくこととなります)。

◆ 協和キリン株式会社からのニュースリリース

◆ 日本造血・免疫細胞療法学会からのお知らせ

◆ AMED豊嶋班ならびに協和キリン株式会社の治験の成果

◆ 後藤先生の先行研究について

注意:G-CSFやpegfilgrastimを投与しても末梢血中に十分量の幹細胞を動員できない方も少数ながらいることをご了承ください。