治療実績

  • 同種造血幹細胞移植の対象疾患
  • 移植細胞別の移植数
  • 年度別移植数
  • 年度別移植数:疾患別
  • 年度別移植数:移植前処置別
  • 年度別移植数:移植細胞別
  • すべての患者さんの生存率

北海道大学病院における同種造血幹細胞移植の治療成績

北海道大学病院(以下、当院)では1988年から同種造血幹細胞移植(以下、同種移植)を開始しています。この同種移植が適応となる血液疾患の患者さんには積極的に移植医療を提供しており、当院では1988年から2016年の期間に652名の患者さんに同種移植を行いました。この652名の患者さんの詳細についてお示しします。

患者さんの平均年齢

当院で移植医療を受けた患者さんの平均年齢は43歳(最低15歳-最高73歳)でした。

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同種移植の対象疾患

急性白血病(急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病を合わせた総称)の患者さんへの同種移植件数が最も多く、約半数を占めていました。次いで悪性リンパ腫、骨髄異形性症候群の順に同種移植を行っています。

図:同種移植件数:疾患別

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移植細胞別の移植数

造血幹細胞移植は、移植する細胞によって、骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植の3つに分けられます。当院では骨髄移植を最も多く行っていましたが、最近5年くらいは末梢血幹細胞移植の占める割合が増えてきています。

図:同種移植件数:移植細胞別

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年度別同種移植件数:総数

下のグラフでは、縦軸が同種移植件数、横軸が年度を示しています。
2000年以降、当院で行っている同種移植件数は増加しており、最近では年間30件〜50件の同種移植を行っています。2016年は、過去最多となる51件の同種移植を行いました。これは、医師や看護師、薬剤師、歯科医師、管理栄養士、移植コーディネーター等の豊富な経験・実績が、移植件数の増加に寄与したものと考えています。また最近では、従来の方法では適切なドナーが見つからない患者さんや、病気の状態などから骨髄バンクドナーコーディネートが間に合わない患者さんに対して「HLA半合致移植」という新しい移植法を臨床研究として行うことが可能となりました。このことも移植件数の増加に寄与していると考えています。

図:年度別同種移植件数:総数

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年度別同種移植件数:疾患別

どの年代においても急性白血病への同種移植件数が多いことが見てとれます。一方で、慢性骨髄性白血病に対する同種移植は2000年〜2002年をピークに著しく減っています。これは新薬(チロシンキナーゼ阻害薬)が開発されたことにより、移植をしなくても病気をコントロールできるようになったからです。
2000年以降で悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群の移植件数が増えています。この頃、骨髄非破壊的移植という移植法が開発され、従来よりも高齢の患者さんに対しても同種移植を行うことができるようになりました。よって、比較的ご高齢で発症することの多い悪性リンパ腫や骨髄異形性症候群への同種移植件数が増加しています。

図:年度別同種移植件数:疾患別

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年度別同種移植件数:移植細胞別

2000年頃より血縁者・非血縁者ドナーからの骨髄移植に加えて、臍帯血移植や血縁ドナーからの末梢血幹細胞移植が可能になりました。2010年以降は、非血縁者ドナーからの末梢血幹細胞移植が可能になっています。また、前述したHLA半合致移植を行う際、当院では末梢血幹細胞移植で行っていることから、最近では特に末梢血幹細胞移植の割合が増加しています。

図:年度別同種移植件数:移植細胞別

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年度別同種移植件数:移植前処置別

移植前処置とは、①病気をやっつけるため、②移植するドナーさんの細胞が患者さんの身体の中で住み易い状態にするために、移植前に行う抗がん剤療法や放射線療法のことです。すなわち、腫瘍をやっつけるだけでなく、患者さんの免疫力を落とすことで移植細胞(ドナーさんの細胞)に対する拒絶を防ぐことができます。前処置の強さによって、骨髄破壊的移植(通称フル移植=強い前処置)と骨髄非破壊的移植(通称ミニ移植=強さを少し弱めた前処置)の大きく二つに分けられます。
フル移植は大量の抗がん剤や大量の放射線照射を使用するため、高齢の患者さんや合併症のある患者さんには行うことができません。2000年以降、ミニ移植の開発により、そういった患者さんにも同種移植を行うことができるようになりました。

図:同種移植件数:前処置別

(文責:岡田耕平、後藤秀樹)

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