T細胞性リンパ腫の一部に免疫チェックポイント分子PD-L1が高発現し、自己の腫瘍免疫からの逃避が起こっていることが知られています。しかし、その分子学的機序ははっきりしていません。

 

今回、リンパ腫グループ 中川雅夫 助教(co-corresponding author)と郎朗大学院生は、Fox Chase Cancer CenterYibin Yang博士の研究室との共同研究で、T細胞性リンパ腫の一病型であるALK陽性未分化大細胞リンパ腫(ALK+ALCL)について、PD-L1が高発現する分子メカニズムを解明し、Blood誌に発表しました。

リンパ球機能に関わる約700遺伝子を最新のCRISPRスクリーニング法で網羅的に解析した結果ALK+ALCL 細胞内において、STAT3GRB2/SOS1といった分子シグナリングの活性化から、BATF3/IRF4という免疫細胞に重要な転写因子複合体の恒常的な発現がおこり、その結果PD-L1高発現による腫瘍免疫逃避能を獲得していることを突き止めました。

 

今回の知見は、T細胞性リンパ腫の免疫チェックポイント阻害薬による治療戦略を考える上で重要な情報と考えられます。


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